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夢幻の弧光

純白の翼と漆黒の羽ばたきで20代追い込み中。

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シゴフミ-Stories of Last Letter

しばらく前に買って部屋に置き去りになってたのを、ようやく読み始めた。

アニメもとっくに放映されてて、大好きな植田佳奈様が主人公のフミカ役をやってるんだっけか。ラジオ聴いたけど、暴走してたなぁ・・。とラジオの話は別稿に回すとして、作品の感想を。




電撃のライトノベルの先入観で読んでたのですが、これはなかなかの秀作。

マジックステッキのマヤマを片手に死後文を届ける文伽。死んだ人の残された思いが綴られた大切な人への最後の手紙を届けるのが彼女の「仕事」。これがよくある萌え系キャラが登場するファンタジーに留まらないのは、この文伽と手紙の差出人と手紙の受取人の三者の心理描写がとても巧みであるから。

大切な人を失い、残された者は、その死を素直に受け入れることは容易でない。故人に対する感情や、それを認めたくないという思い、死を受け入れることの不安など、人間のエゴと葛藤に苛まれる。

一方、手紙の差出人である死者は、大切な人へ最後の気持ちを伝えたいが、もうそれはできない。手紙に託した思いさえ、その死を受け入れることを拒否するものには受け取ってさえもらえない。自分はあなたのことを本当に大切に思っています、どうかあなたは幸せに、とこの一言を伝えるだけなのに、すれ違い噛み合わない気持ちが、読んでいてとても歯がゆい。

このふたりを結びつけるのが、主人公の文伽である。あくまで死後文の配達人であり、手紙さえ届ければその「仕事」は完了するのである。が、文伽は決してそれだけに満足はしない。手紙を渡し、開封させ、読ませる。これはすなわち死者から託された思いを残されたものへきちんと伝えること。死神のような仕事をしているのに、とても人間的な慈愛に満ちた主人公の行動には、せつなくも悲しいものを感じる。

人の終末に立ち会うものたちの心の動きを細かく表現し、リアリティを持たせ、深く考えさせられる場面も多く盛り込まれた作品であると思います。
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